2012.03/02 [Fri]
過去の記事のご案内(3)~「西の魔女の植物療法フェア」
株式会社リコーさんの環境情報webサイト「ガイアイア」に以前掲載させていただいた記事です。
「ガイアイア」は残念ながら2011年6月に閉鎖されましたが、管理者様から転載の許可を得ておりましたのでここに掲載します(一部加筆訂正しています)。
なお、リコーグループの環境経営についてのサイトはこちらです。
http://www.ricoh.co.jp/ecology/
---------------------------------------------
◆ 2010年11月25日
「西の魔女の植物療法フェア」レポート
2010年10月9日から11日にかけて、山梨県北杜市清里の財団法人キープ協会様で、「西の魔女の植物療法フェア」というイベントが開催されました(主催:西の魔女の植物療法フェア実行委員会)。

魔女?なんだか怪しいっ!と思われるかもしれませんが、このイベントは『西の魔女が死んだ(梨木香歩・著)』という小説にちなんで企画されたものです。『西の魔女が死んだ』(以下、『西魔女』と略します)は不登校になった中学生の女の子が、自然と寄り添って暮らすおばあちゃん(=通称「西の魔女」)の家で過ごす様子を描きながら、様々なメッセージ(自然とともにある暮らし、生き方、人生哲学など)を伝えるお話になっています。

2008年には映画にもなりましたが、そのロケ地となったのが、今回会場となったキープ協会周辺、清里のフィールドでした。そして、「植物療法」とは、ここではおもにハーブ・アロマテラピー・園芸療法・森林療法の4つのカテゴリーを総称しています。今回、私はネイチャーゲームという自然体験プログラムで、この「西魔女」の世界と、清里の自然を体感する2コマ(各2時間)を講師として担当しました。
ここは、森あり!沢あり!原っぱあり!の魅力的なフィールドです。
原っぱの湿地ではアキアカネが盛んに産卵をし、森ではリス、早朝にはシカにも遭遇!また平地にはないミズナラの木が黄色く色づき始め、地面に丸いドングリをたくさん落としていました。

午前中は「清里の自然を体験しよう」。ロケ地になった「おばあちゃんの家」(一番上の写真)の裏手にある、「おばあちゃんの散歩道」で行いました。小学生の女の子を含む参加者の方々と一緒に森に入ります。雨上がりということもあり、キノコや苔が鮮やかな色彩でみずみずしく目に映りました。そのたびに立ち止まってはみんなで「ほ〜」「わあ〜」と感嘆しつつ、のんびりと散策。やがて、小さなせせらぎのほとりへたどり着き、そこを拠点にすることに決定。


ウォーミングアップも兼ねて、深呼吸をしたり簡単な気功をしたり、あるいはじっと耳を澄ませ、ゆっくりと自分の気持ちを周りの自然に合わせていきます。そして、自然の中の様々な色に気づいていく<森の色合わせ>という活動を行いました。葉っぱや土、木の肌、キノコなどなど、ほんの小さなところにも様々な色の発見があり、みんなで気づきを共有しました。

そんなふうに感性が徐々に研ぎ澄まされてきたところで、次に<森の美術館>という活動を行いました。四角い紙のフレームで自然の一部を切り取ってみます。二人でのぞきこんで「きれい!」と感動したり、一人ひとり違った感性で切り取った美しさ、面白さを、みんなで鑑賞しながら存分に味わいました。

午後は、「ネイチャーゲームで西魔女の世界を感じてみよう」。午前中と同じ「おばあちゃんの散歩道」をフィールドにして、やはり午前中と同じように簡単な気功を行ったのちに、<宝さがし>という活動をしました。主人公の女の子 "まい" が森で様々な自然の宝物を発見したように、私たちも自分だけの宝物を探しました。"リスが食べたあとの松ぼっくり"、"いいにおいの土" なんていうものを見つけてきた人もいましたよ。

次の活動に移る前に、静かに耳を澄ませて心を落ち着かせます(まいが森でそうしたように!)。そっと立ち上がり、足裏に気持ちを集中しながら静かに小道を歩いていきます。この歩き方は、過去や未来にわずらわされずに「今」を生きようとしたおばあちゃんの哲学にも通じます。
私が先頭になって一列でゆっくりと歩きながら、前の人から順に「ここで静かに過ごしましょう」と1人ずつ列から離れて座ってもらい、<ひとりぼっち>という活動のスタートです。まいは森で自分だけの場所「マイ・サンクチュアリ」をたびたび訪ね、そこで過ごしました。私たちも、そんな体験ができればと思ったのです。
15分くらいの間、ひとりになって森で過ごした時間は、どのようなものだったのでしょうか。木々の間から漏れる陽の光に心地よさを感じた人、最初はいろんな雑念が浮かんできたけど、そのうちにすーっと眠くなってきた人。それぞれに静かな時間を森の中で過ごすことができたようです。
ゆったりとした余韻を残しながら、この日の活動を終えました。
このように本をテーマにすること、また植物療法に近づこうとすることも、私にとって新たな試みであり、異なる分野の方々との仕事に大きな刺激をいただきました。これからも、こんなコラボレーションを大切にしたいなと思います。
今後も関連のイベントがあるようですので、興味のある方はぜひこちらをご覧くださいね!
▶ 植物療法ネットワーク in 清里
「ガイアイア」は残念ながら2011年6月に閉鎖されましたが、管理者様から転載の許可を得ておりましたのでここに掲載します(一部加筆訂正しています)。
なお、リコーグループの環境経営についてのサイトはこちらです。
http://www.ricoh.co.jp/ecology/
---------------------------------------------
◆ 2010年11月25日
「西の魔女の植物療法フェア」レポート
2010年10月9日から11日にかけて、山梨県北杜市清里の財団法人キープ協会様で、「西の魔女の植物療法フェア」というイベントが開催されました(主催:西の魔女の植物療法フェア実行委員会)。

魔女?なんだか怪しいっ!と思われるかもしれませんが、このイベントは『西の魔女が死んだ(梨木香歩・著)』という小説にちなんで企画されたものです。『西の魔女が死んだ』(以下、『西魔女』と略します)は不登校になった中学生の女の子が、自然と寄り添って暮らすおばあちゃん(=通称「西の魔女」)の家で過ごす様子を描きながら、様々なメッセージ(自然とともにある暮らし、生き方、人生哲学など)を伝えるお話になっています。

2008年には映画にもなりましたが、そのロケ地となったのが、今回会場となったキープ協会周辺、清里のフィールドでした。そして、「植物療法」とは、ここではおもにハーブ・アロマテラピー・園芸療法・森林療法の4つのカテゴリーを総称しています。今回、私はネイチャーゲームという自然体験プログラムで、この「西魔女」の世界と、清里の自然を体感する2コマ(各2時間)を講師として担当しました。
ここは、森あり!沢あり!原っぱあり!の魅力的なフィールドです。
原っぱの湿地ではアキアカネが盛んに産卵をし、森ではリス、早朝にはシカにも遭遇!また平地にはないミズナラの木が黄色く色づき始め、地面に丸いドングリをたくさん落としていました。

午前中は「清里の自然を体験しよう」。ロケ地になった「おばあちゃんの家」(一番上の写真)の裏手にある、「おばあちゃんの散歩道」で行いました。小学生の女の子を含む参加者の方々と一緒に森に入ります。雨上がりということもあり、キノコや苔が鮮やかな色彩でみずみずしく目に映りました。そのたびに立ち止まってはみんなで「ほ〜」「わあ〜」と感嘆しつつ、のんびりと散策。やがて、小さなせせらぎのほとりへたどり着き、そこを拠点にすることに決定。


ウォーミングアップも兼ねて、深呼吸をしたり簡単な気功をしたり、あるいはじっと耳を澄ませ、ゆっくりと自分の気持ちを周りの自然に合わせていきます。そして、自然の中の様々な色に気づいていく<森の色合わせ>という活動を行いました。葉っぱや土、木の肌、キノコなどなど、ほんの小さなところにも様々な色の発見があり、みんなで気づきを共有しました。

そんなふうに感性が徐々に研ぎ澄まされてきたところで、次に<森の美術館>という活動を行いました。四角い紙のフレームで自然の一部を切り取ってみます。二人でのぞきこんで「きれい!」と感動したり、一人ひとり違った感性で切り取った美しさ、面白さを、みんなで鑑賞しながら存分に味わいました。

午後は、「ネイチャーゲームで西魔女の世界を感じてみよう」。午前中と同じ「おばあちゃんの散歩道」をフィールドにして、やはり午前中と同じように簡単な気功を行ったのちに、<宝さがし>という活動をしました。主人公の女の子 "まい" が森で様々な自然の宝物を発見したように、私たちも自分だけの宝物を探しました。"リスが食べたあとの松ぼっくり"、"いいにおいの土" なんていうものを見つけてきた人もいましたよ。

次の活動に移る前に、静かに耳を澄ませて心を落ち着かせます(まいが森でそうしたように!)。そっと立ち上がり、足裏に気持ちを集中しながら静かに小道を歩いていきます。この歩き方は、過去や未来にわずらわされずに「今」を生きようとしたおばあちゃんの哲学にも通じます。
私が先頭になって一列でゆっくりと歩きながら、前の人から順に「ここで静かに過ごしましょう」と1人ずつ列から離れて座ってもらい、<ひとりぼっち>という活動のスタートです。まいは森で自分だけの場所「マイ・サンクチュアリ」をたびたび訪ね、そこで過ごしました。私たちも、そんな体験ができればと思ったのです。
15分くらいの間、ひとりになって森で過ごした時間は、どのようなものだったのでしょうか。木々の間から漏れる陽の光に心地よさを感じた人、最初はいろんな雑念が浮かんできたけど、そのうちにすーっと眠くなってきた人。それぞれに静かな時間を森の中で過ごすことができたようです。
ゆったりとした余韻を残しながら、この日の活動を終えました。
このように本をテーマにすること、また植物療法に近づこうとすることも、私にとって新たな試みであり、異なる分野の方々との仕事に大きな刺激をいただきました。これからも、こんなコラボレーションを大切にしたいなと思います。
今後も関連のイベントがあるようですので、興味のある方はぜひこちらをご覧くださいね!
▶ 植物療法ネットワーク in 清里
スポンサーサイト
Comment
Comment_form