2013.02/07 [Thu]
12/16第1回草地管理現場講習会@馬入水辺の楽校

2012年12月16日(日)、馬入水辺の楽校(神奈川県平塚市)にて「第1回草地管理現場講習会」が行われ、講師を担当しました。
ここ相模川の河川敷には、バッタやノウサギ、カヤネズミなどが暮らす原っぱがあります。
残念ながら、「貴重な」という形容詞をつけなくてはならないのが、神奈川県の現状です。
だからこそ、守り育てることが大切です。
馬入水辺の楽校のエコアップ隊活動でも、この草はらの保全には取り組んでいますが、とても間に合わないことと、草はらの管理の重要性とやり方がわかる人材の育成を図るために、「草地管理現場講習会」が開催されることとなりました。
この日は、日頃からこうした自然環境の仕事や活動に携わっている6人が参加しました。
前半は、この草はらを草はらのみとして見るのではなく、取り巻く環境も視野に入れるために、フィールド全体を歩いて確認しました。
これはガガイモの実と種です。

私の大好きな実と種です。ガガイモは、明るい林縁や草はらに育ちます。
このフワフワ!薄茶色の殻にぎっしりと詰まっているのです。昔は朱肉の中身(クッション)にも使われたとか。
古事記には、この殻を舟にして川からやってくる小さな神様が登場するんですよ。
余談ですが、このガガイモが登場する絵本『ふわふわふとん』(カズコ・G・ストーン作、福音館書店)はガガイモファン?にはオススメです♪
後半は、維持管理作業。今回はオギ原を圧迫するセイタカアワダチソウの抜き取りです。
ちょうど種がついている時期だったので、まずハサミで首から切って極力、種が飛ばないようにします。
やはりこういう手間をかけないためには、結実前に作業したいですね。

温暖湿潤な関東地方では、草はらは放っておくと次第に森へと変化していきます。
では、なぜ「草はら」という環境があるかというと、何らかの「力」が森へ移行するのをストップさせたからです。
その力とは、河川の氾濫などによる自然現象によるかく乱であったり、人間の活動であったりします。
人間の活動は、放牧であったり、野焼きであったり、刈り取りであったりします。
かつては、私たち人間の暮らしと一体化して、必要があってこのような作業が行われてきましたが、現在ではその必要性が薄れてきました。
こうして放置された草はらは荒れ、また容易に開発もされやすく、造成されて消滅していきました。
それとともに、草はらに暮らす生きものも危機に瀕しています。
私は、こうしたことを多くの人に伝えられたらなあ!と思っています。
この日に見られた生きものたち。
クビキリギス。

ツチイナゴ。これら2種は成虫で越冬するバッタの代表です。

これはノウサギのフンかなあ。見慣れたものとはちょっと形が違う感じだけど。

ほかにも、オオカマキリ(卵のう)、フタモンアシナガバチ(成虫)、トックリバチの仲間の巣(空き家)、それからナミテントウ、ナナホシテントウがブンブン飛んでいました。この日はとても暖かかったのです。
この講習会は、来年度も継続される予定です。
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